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営業研修の設計|拠点ごとにバラバラだった研修を全社で統合した手順

2026年7月19日執筆:島津 裕太(株式会社HC 代表取締役)

営業研修を作っても定着しない、という相談は多いのですが、原因の多くは内容ではありません。研修を「研修単体」で作っていることにあります。各拠点でバラバラに運用されていたオフライン研修を、全社共通の体系へ統合し、オンライン化・理解度テストの自動化まで進めたときの手順を書きます。

なぜ拠点ごとにバラバラになるのか

拠点ごとの個別運用は、その場では合理的に見えます。現場の課題に合わせて、その拠点の責任者が必要なことを教える。これ自体は間違っていません。

問題は再現性がないことです。教える人が変われば内容が変わり、拠点が変われば水準が変わる。そして誰かが抜けた瞬間に、その拠点の教育が止まります。

もう一つ厄介なのは、バラバラであることが数字に出るまで時間がかかる点です。教育の差は、半年後の立ち上がりの差として現れます。その時点では原因の特定が難しくなっています。

統合の手順

実際に踏んだ順序です。いきなりオンライン化から入ると失敗します。

  1. 全社共通の研修体系として統合する — まず「何を教えるか」を1つに揃える
  2. オンライン化する — 場所と時間の制約を外す
  3. 一部を録画化する — 毎回同じ話をする工数をなくす
  4. 理解度テストを自動化する — 受けたかどうかではなく、理解したかを測る
順序を守る理由

内容が揃っていない状態でオンライン化すると、バラバラな研修がバラバラなまま録画されるだけです。

むしろ動画になった分、後から直しにくくなります。統合が先、デジタル化は後です。

最大のポイント:研修を単体で作らない

ここが他と決定的に違う部分です。研修制度だけを作っても、受ける側に受ける理由がありません。

実際に設計したのは、次の4つを接続した状態です。

制度役割
研修制度何を、どの順で身につけるか
評価制度身についたかをどう判定するか
資格制度身についた状態をどう可視化するか
報酬制度身につくと何が変わるか

このうち報酬との接続が効きます。継続して勤務し、資格要件を満たすと報酬が上がる。この構造があると、研修は「受けさせられるもの」から「受けると得をするもの」に変わります。

逆に言えば、研修だけを一生懸命作っても、受講率は上がりません。受講率が低いことを現場の意識の問題として扱っている場合、たいていは制度設計の問題です。

理解度テストの実装

「研修を受けた」と「内容を理解した」はまったく別です。ここを分けるために理解度テストを入れます。

インサイドセールスの実力測定では、Googleフォームで55問のスキルチェックテストを作成しました。実装上のポイントは3つです。

2つ目が地味に重要です。教材に無いことを出題すると、テストが「引っかけ」になり、学習の道具ではなく選別の道具になってしまいます。それでは自走しません。

日々の運用に落とす

制度を作っても、日々の運用がなければ定着しません。実際に回していたのは次のような形です。

複数拠点のメンバーに対して、朝礼・終礼を拠点合同で実施し、そこで個別のショートフィードバックを行っていました。この形にすると、PDCAの頻度と濃度が上がります。

リモート・業務委託人材の場合

正社員が同じ場所にいる前提の研修論は、リモートや業務委託には通用しません。ここは設計を変える必要があります。

実際に採った形はテキストと動画の二層です。

さらに、動画で事前にインプットしてもらった上で、ライブ研修を実施するという組み合わせも使いました。同期の時間を「説明」ではなく「質疑と実践」に使えるため、拘束時間あたりの密度が上がります。

制度設計後に自走させる

最後に、いちばん重要な点を書きます。制度は作った人がいなくなっても回る状態にして初めて完成です。

統合・オンライン化・テスト自動化を進めた目的は、内容を良くすることだけではありません。教育品質の標準化と、運用工数の削減です。

毎回誰かが同じ説明をしている状態は、品質が人に依存し、かつ工数が人数に比例して増えます。録画とフォームに置き換えられる部分を置き換えると、人が介在すべき部分だけに人を使えるようになります。

まとめ

Advisory

研修を「制度」として設計し、現場に実装します

株式会社HCでは、研修単体ではなく、評価・資格・報酬と接続した教育制度として設計し、オンライン化や理解度テストの仕組みまで実装します。制度設計後に自走できる状態にしてから離れることを前提にしています。月額30万円〜・初回のオンライン相談は無料です。

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よくある質問

営業研修は何から作ればよいですか?

まず内容を全社で統合するところからです。拠点や担当者ごとにバラバラな状態でオンライン化を進めると、バラバラな研修がそのまま録画されるだけで、後から直しにくくなります。統合が先、デジタル化は後という順序を守ります。

研修をオンライン化すべきですか?

内容が統一された後であれば有効です。場所と時間の制約が外れ、一部を録画化すれば毎回同じ説明をする工数がなくなります。ただし統合前にオンライン化すると、属人的な研修が固定化されるだけになります。

理解度テストは何問くらいが適切ですか?

運用していたのはインサイドセールス向けで55問です。問題数そのものより重要なのは、全問を選択式にして自動採点できるようにすること、そして教材に書かれていない内容を出題しないことです。教材とテストが1対1で対応していないと、学習の道具ではなく選別の道具になります。

研修を作っても受講率が上がりません。

多くの場合、現場の意識ではなく制度設計の問題です。研修を単体で作ると、受ける側に受ける理由がありません。評価・資格・報酬と接続し、継続勤務と資格取得で報酬が上がる構造にすると、受けると得をするものに変わります。

業務委託やリモートのメンバーにも同じ研修でよいですか?

同じでは機能しません。テキスト(手順書として検索できる形)と動画(初回インプット用)の二層に分け、動画で事前にインプットしてもらった上でライブ研修を行う形が有効でした。同期の時間を説明ではなく質疑と実践に使えます。

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島津 裕太(株式会社HC 代表取締役)

大手通信キャリアで光回線の個人営業実績 全国1位。人材紹介会社の東日本統括責任者として担当拠点の月商を約9倍へV字回復。BPO事業のインサイドセールス責任者として商談化率を15%台から月次30%超へ引き上げる。現在は株式会社HCとして、インサイドセールスの立ち上げ・営業組織づくりを「実装まで」支援している。